ドクターインタビューDoctor Interview

難しい脳の治療や手術こそ、
当院にお任せください
脳神経外科
氏家 弘

頭痛があっても脳に異常がある方は少ない
如何に病気を見極めるかが重要です

脳には先天性奇形、頭部外傷、脳腫瘍、脳血管障害、脳の炎症など、たくさんの疾患があります。脳神経外科では、これらの疾患の診察と外科手術を主に担当しています。

脳神経外科を受診する患者さんは、男女問わず高齢の方が多く、患者さんが訴える症状の中で一番多いのは頭痛とてんかんです。それ以外の症状で受診に来られる場合、内科や整形外科、耳鼻科、眼科など、他の診療科を受診してから脳神経外科に紹介されるケースが多いです。また、例えば頭痛を訴える患者さんのうち、脳に異常を認める方や、実際に手術が必要となる方は多くはありません。頭痛の原因が脳にはなく、脳を囲む硬膜や頭蓋内の動脈の炎症、頭部を支える筋肉の疲労、頭皮の神経の神経痛によって起きる頭痛が98%を占めます。

長年のリスクファクターの見過ごしが病気の引き金に

ある日突然、脳の病気になるというわけではありません。何かしらのリスクファクターを抱えたまま何年も過ごしてしまったのち病気になるのです。検診や人間ドックを受けない、受けても結果を見ない、生活習慣の改善を指摘されてもそれに取り組まない、そもそも健康状態の管理に無頓着、それらに心当たりのある方は注意が必要です。特に既に症状がある方、検診や診察で脳神経外科の受診を勧められた方はしっかりした治療が必要です。全ての病気に通じる事ですが、脳の病気も早期発見と治療があなたの生活と人生を救う事になるのです。本当に困った事になる前に、私達、脳神経外科にかかりましょう。

私は30年以上、たくさんの患者さん、たくさんの病気と関わってきました。その中で常に心掛けてきたのは、患者さんのお話をよく聞くこということです。診断する上で当然のことではありますが、脳神経外科に来られる患者さんの中には、不安を解消するだけである程度症状が改善される方もいらっしゃいますし、そうすることが病気への理解と協力を促し、よりよい結果に繋がることもあります。

よく脳の治療が難しいといわれますが、これは脳には人間の心や魂があるからです。心臓にしても肝臓にしても、臓器または器官として治すことができますが、脳に関しては心とか意識があるので、治療も非常に難しくなります。臓器としての脳は治ったとしても、心に障害が残ることがあり、そうなると今までと同じように社会や家庭生活ができなくなることもあり、そこが非常に難しいところです。

脳疾患を高い技術でカバーするために

鎌ケ谷総合病院に来る前は、東京女子医科大学で助教授、東京労災病院では副院長をしてきました。当時、獨協医科大学埼玉医療センターの院長・特任教授で、日本脳神経血管内治療学会元理事長の兵頭明夫先生(現在は鎌ケ谷総合病院脳血管内治療センター長)に声をかけて頂いた事が鎌ケ谷総合病院で勤務するきっかけでした。

私は主に開頭手術を中心に手術を行っておりますが、血管内治療が必要な患者さんは脳血管治療センター所長の兵頭明夫先生、回復期リハビリテーションについては脳神経外科専門医でもある杉本耕一先生と連携した治療を行っています。脳疾患の診断から外科的治療と内科的治療、そしてリハビリテーションまで幅広い脳疾患治療が可能な環境を整えていることが当院の最大の強みです。近隣にお住まいの方は勿論、遠方の方でも、脳腫瘍や脳動脈瘤の治療でお悩みの方はセカンドオピニオンでも構いませんので、ぜひ一度いらして下さい。

治療環境の充実を図ります

今後は手術顕微鏡などの医療機器を含め、設備を最新のものに整えていきたいと思っています。また、設備面の整備と併せて重要なのは医師の確保です。10年先も今のレベルを維持するためには、最低でも5~6名のチームを作って脳神経外科を鎌ケ谷総合病院の看板にすることが目標です。
脳神経外科はチームワークが非常に重要なので、技術もさることながら、同じ価値観で治療に当たる信頼できる仲間でなければ、良い治療に繋がりません。これからも人材の確保と教育に注力し、最終的には全国から患者さんが来て頂けるような脳神経外科にしたいと思います。

脳神経外科医師として残りの人生をかけて挑みます

私はこれまで、医療現場の最前線で治療を行うだけではなく、リハビリロボットや、脳の中の神経細胞に電気や磁気で刺激を与えて薬と同じ効果を出せる医療機器の開発を東京工業大学や理化学研究所などの研究機関と一緒に手掛けてきました。
私が脳神経外科医として働くのは鎌ケ谷総合病院が最後になると思いますが、これからも患者さんのために様々な開発に携わりながら、脳神経外科医師として人生をかけて挑戦を続けたいと思っています。
もし脳疾患と診断され、不安があったら迷わず、鎌ケ谷総合病院にご相談ください。

脳神経外科で外科的治療を行う疾患

頭部外傷

骨折、硬膜外血腫、硬膜下血腫、外傷性クモ膜下出血、脳挫傷、外傷性脳内出血

脳血管障害

脳内出血、脳梗塞、脳塞栓症、頸動脈狭窄、クモ膜下出血、未破裂脳動脈瘤、脳動静脈奇形、海綿状血管腫、脳幹部海綿状血管腫、脳静脈瘤、硬膜動静脈奇形

脳腫瘍

多発性膠芽腫、グリオーマ、星細胞腫、髄膜腫、脳下垂体腫瘍、下垂体腺腫、ラトケ嚢胞、聴神経腫瘍、中枢性神経細胞腫、松果体腫瘍、頭蓋咽頭腫、脊索腫、類上皮腫、類皮腫、血管芽腫、悪性リンパ腫、転移性脳腫瘍

脊髄脊椎疾患

脊椎・脊髄腫瘍、頚椎ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症、腰椎ヘルニア、難治性慢性腰痛

水頭症

正常圧水頭症、非交通性水頭症、キアリー奇形、脊髄空洞証
機能脳神経外科:顔面痙攣、三叉神経痛、パーキンソン病、てんかん

脳神経外科で内科的治療を行う疾患

片頭痛、群発性頭痛、緊張型頭痛、めまい、ふらつき、しびれ、難治性痛み、振戦

Doctor Profile
氏家 弘うじいえ ひろし
認定医・専門医
  • 医学博士
  • 日本脳神経外科学会評議員・脳神経外科専門医
  • 日本脳卒中学会評議員・脳卒中専門医