放射線診断科Radiology

乳房撮影(マンモグラフィー)とは?

乳房は乳腺(乳管や結合組織など)と脂肪で構成されています。乳腺は年齢で変化し、また個人差があります。左右の乳房を比較して診断をするため、両乳房に同じ撮影を行います。それらの組織を正確に判断できるように手で引き伸ばし、機械で圧迫して、乳房の厚さを均等にして撮影を行います。圧迫による痛みを伴いますが、癌を発見しやすい写真が撮れます。

今なぜ"乳がん"なのか?

アメリカでは現在、全女性の8人にひとりが一生の間に乳がんになると言われていますが、日本では欧米に比べかなり少なく、20人にひとりだといわれています。10年前のデータで言えば、日本の乳がん罹患率は10万人対で37人で先進国の中では最低です。しかし、最近の傾向は喜ばしいものではありません。

アメリカやイギリスでは国を挙げてマンモグラフィー(乳房Ⅹ線撮影)検診など乳がん対策に取り組んでいます。その結果、罹患率はまだ高いのですが、両国の乳がん死亡率は1985年以降から下降に転じています。ところが日本では、死亡率・罹患率ともに右肩上がりが続いていて、現在は毎年約3万5千人以上の人が乳がんにかかり、亡くなる人も1万人を超えています。今や乳がんは、日本の女性が最もかかりやすいがんであり、30代に入ると、子宮がんよりも乳がんの方が何倍も確率が高くなるのです。

罹患者数: 国立がんセンターがん対策情報センターより 死亡者数: 厚生労働省 「人口動態調査」 より
罹患者数:国立がんセンターがん対策情報センターより
死亡者数:厚生労働省「人口動態調査」より

定期検診で早期発見を!

残念ながら乳がんの予防方法はありませんが、早期なら約90%が治ります。決して恐い病気ではありません。早期発見のために自己検診やマンモグラフィーなどによる定期検診が大切です。

  • 乳がん
  • 乳腺の石灰化