各種装置のご紹介―MRI
MRIとは、Magnetic Resonance Imagingの略で磁気共鳴断層撮影装置といい、人体内の水素原子核に電波を与え、そこから発生した電波を受信して画像化する検査で、X線やγ線をなどの放射線を使わない検査です。従って放射線の影響を受けやすい部位の検査も安心して行うことができ、単純MRI検査であれば体への影響も殆ど無いため繰り返して検査を行うことが可能です。また、患者様は検査中ベッドに横になっているだけで身体の向きを変える事も無く、検査による苦痛もありません。 当院では1.5T MRIと3.0T MRIの2台のMRIを活用して診療に当たっています。
3T MRIの特徴
鎌ケ谷総合病院放射線診断科では、2019年に3T(3テスラ)MRIを導入しました。 今回導入したのはPHILIPS社のIngenia3.0T MRIという装置で、デジタルコイル搭載により従来のMRIよりも鮮明な画像を短時間で収集できるようになりました。
3.0T MRIのメリット
3.0T MRIには次のようなメリットがあります。
- 高精細画像で所見とアーチファクトの区別が明瞭
- 検査時間が短くなっても画像劣化は最小限
- 従来見えなかった細い血管や動脈瘤の描出が可能
- 高分解能画像で特殊な検査(海馬の萎縮や早期アルツハイマー症の鑑別なども)にも対応可能
MRI検査を受ける方へ
MRI検査を受ける方で、下記の方は必ず主治医や担当技師にご相談のうえで検査を受けて下さい。
- ペースメーカーを使っている方
- 人工関節や歯科インプラントなど体内に金属を埋め込む治療を受けている方
- 妊婦や妊娠の可能性のある方、閉所恐怖症など狭いところが苦手な方
- 義肢や義眼などをお使いの方
- 入れ墨を入れている方
- カラーコンタクト類を装着している方
CTとMRIの違いとは?
特徴としては、X線検査では見られない脳・脊髄・椎間板・半月板・筋肉・腱・血管等が鮮明に写しだされます。そして、体のあらゆる角度の断面が得られるのとX線を用いないためX線被ばくすることがありません。わずかな病変も見逃さない画像が腫瘍などの早期発見にたいへん威力を発揮します。現在最新の医療機器として医療現場で注目されており今後ますます活躍の場がふえていく画像診断の最先端です。しかし、CT検査に比べ検査時間が長く、また磁石を使用しておりますのでペースメーカー等体内に金属を使用している方は検査が出来ませんので事前に担当医または担当技師にお知らせください。また、脳動脈瘤クリップや人工関節など、体に金属を埋め込む手術を受けられた方や妊婦、または妊娠している可能性がある方、閉所恐怖症など、狭いところが苦手な方も必ず事前に担当医または担当技師にお知らせください。
上の3つの画像は同一患者様が同時期に検査を施行された症例で、診断された病名は脳梗塞です。CT画像でははっきり判らない梗塞部位もMRI画像であれば白くはっきりと写し出されます。またMRAの画像では、梗塞部位にあたる血管が写っていないのが判ります。これは血管がつまって血液の流れが悪い事を示しています。このように、CT画像では描出しにくいものであっても、MRIであれば写し出すことが可能です。
また下の画像のように、頭部だけではなく全身のあらゆる部位が検査の適応となります。