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認定看護ニュース20号 手術のQ&A

2025.01.10

手術看護認定看護師の國分です。
今回は患者さんやご家族の方が感じる手術に関してのご質問をQ&A形式でまとめました。

術前のQ&A

Q1.手術前に歯科を受診するように言われました。なぜ歯の治療が必要なのでしょうか?

A.全身麻酔の前に口腔内が健康な状態でないと、肺炎などの合併症を発症しやすくなるからです。また、グラグラしている歯があると、手術中に抜けて気管に入る可能性があるため歯科の受診を推奨しています。

Q2.ジェルネイル、マネキュアを外すように言われました。どうしてですか?

A.手術中は体内の酸素の量を測定するためのセンサーを装着しますが、爪に色や装飾があると体内の酸素量を正確に測定できません。また、全身の血流の状態を爪の色でも確認していますので、足の爪や透明なネイルも除去をお願いします。

Q3.長年タバコを吸っていて、手術前に今更禁煙しても意味が無いと思うのですが?

A.何年もタバコを吸っていて、1日くらいやめたって・・・と思うかもしれませんが、20分でも禁煙は効果があります。24時間やめるとニコチンが消失します。
公益社団法人日本麻酔科学会発行の『周術期禁煙啓発のためのリーフレット』に禁煙と手術の関係に関する詳細な案内が掲載されていますので、是非ご覧ください。

Q4.なぜ髭を剃らないとだめなのですか?

A.全身麻酔をかけると、自分で呼吸が行えなくなるため、酸素マスク等で補助する必要があります。髭があると酸素マスクが滑り、顔に密着しないため、体に十分な量の酸素が届かないことや、呼吸を助ける管を口の周りに固定するためのテープがしっかりつかずズレてしまう可能性があり危険です。

Q5.タトゥーや刺青を確認されました。何か影響があるのでしょうか?

A.タトゥー、刺青、アートメイクで使われる着色顔料やインクには金属が含まれていることがあるため、電気メスを使用する時にやけどを起こす可能性があります。
またタトゥー、刺青、アートメイク部分に針を刺したり、メスで切ったり、縫うことで模様が変化することもありますので、担当医や看護師に相談して下さい。

Q6.かつら(ウィッグ)を外したくありません。外さなくてもよいでしょうか?

A.かつら(ウィッグ)の留め具や材質によって、頭皮の損傷や電気機器による通電の可能性から熱傷を起こす危険性があります。
また、手術中に壊れたり、汚れたりすることが無いとは限らないため、できれば外すことが望ましいです。手術室看護師でもご相談を承っておりますので、お声がけ下さい。

 

手術後のQ&A

Q7.麻酔から目覚めないことはありますか? 手術後はいつ目が覚めるのでしょうか?

A.基本的には手術室で麻酔を覚ましますが、十分に覚めるまでしばらく時間がかかることもあるため、病室に戻ってからも眠っていることがあります。

Q8.手術を受ける料金はどの程度になるのでしょうか?

A.行われる手術の術式、部位、範囲、経済的状況などにより費用は様々です。利用できる支援制度も異なりますので、病院の窓口でご相談下さい。

Q9.いつからご飯を食べられるのでしょうか?

A.手術の種類や術後の経過によって、食事の開始時期は異なります。
 担当医や看護師から説明があります。

 


私達手術室看護師には、手術を受けられる患者さんやご家族を支える大きな役割があります。
また、患者さんやご家族の皆様が、手術前後のご自身の姿をイメージできることが、治療においては最も重要です。
今回のQ&Ani掲載されていない内容で聞きたいことや、手術に関して困っている事などがあれば、手術看護認定看護師へお気軽に御相談下さい。