今回は、がん化学療法認定看護師が
おススメする治療日誌について解説します。
突然ですが、みなさま、1週間前のお昼ごはんに何を召し上がったか覚えていますか?5日前に測定した体温は何度でしたか?
私は・・・まったく覚えていません・・・・・
そうです!!
人は、記憶して1時間後に56%を、1日後には74%を忘れてしまうと言われているのです。
覚えていなくても当然ですね・・・
~抗がん剤治療は入院から外来へ~
外来通院での抗がん剤治療が増えている中、当院でも多くの患者さんが通院で治療をされています。もちろん、入院が必須の治療もたくさんあります。
治療をしてご自宅に帰るというのは、不安な方も多いと思います。主治医もいない、治療で関わった看護師もいない・・・この症状は薬のせい?このだるさはいつまで続くの?このような経験をされる方は多いのではないでしょうか?
私たち医療者は、患者さんの治療日の体調だけではなく、ご自宅でどのような毎日を過ごされたのか、困った症状はなかったのか、教えていただきたいのです。それを共有し、共に治療に取り組んでいきたいと思っております。
そこで、大切になるのが「治療日誌」です!
では、治療日誌を書くことはどんな良いことがあるのでしょうか?
治療日誌を書くと・・・・このようなメリットがあります。
・その時々の状況を思い出せる ・書いてあるので、医療者に聞かれても答えやすい ・ご自身の治療後の ❛パターン❜ が見えてくる ※「だいだい3日目に便秘になる」 「1週間はなんとなくだるいな」、「10日くらいでだいたいもとの体調に戻るな」などなど ・症状に備えて、食べ物の準備や外出の予定、生活パターンをあらかじめ組むことが出来る |
治療をしているから、と、制限ばかりの生活をするより、ご自身のパターンを理解し、うまく症状と付き合いながら毎日を過ごして頂きたいと思います。
・・・しかし、次のような事が心配という方もおられるでしょう。
・毎日記録するって大変、忘れてしまう ・何かに書き留めるというのは意外と面倒くさい ・「治療日誌」と言われるとハードルが高い ・人に見せるからきれいに書かなければ・・・ ・あらかじめ内容が決められているから全部書かないと・・・ |
でも、こんなことは気にしない!!
ご自身が、治療をしながら生活しやすくするために書くのです。ご自身が分かれば大丈夫です。
薬のメーカーが出している治療日誌や、市販で売っているものもあります。
スマホ管理がしやすければそれでもOK、メモ紙だって、ご自身の手帳だってOKです。
体調がもとに戻ったから、日誌もお休み♪も、大きな声では言えませんがアリですよね。
体調がすぐれない間は、ご家族に書いてもらう、熱が出てつらいときは、体温計の写真を撮るだけでもOKです。
当院の外来化学療法センターに通われている方も、様々な方法でご自身の症状を把握されています。
- 薬剤メーカーの治療日誌に見本のように書いている方
- 辛かった症状だけ、スマホに書き留めている方
- 写真を撮って見せてくれる方
- 血圧なども書きたいので、ご自身でノートに記載している方
- 一目瞭然で分かるよう、色付けをしたり、ご自身が分かる記号で記載している方
みなさんもご自身に合った方法で、ご自身の状態を書き留めてみませんか??
抗がん剤治療をしている方に限らず、高血圧や糖尿病などで治療をされている方にもおすすめです。
共に治療を頑張っていきましょう!!
次回は、脳卒中リハビリテーション看護認定看護師です。お楽しみに♪