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整形外科・リウマチ科

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関節リウマチについて

そもそも関節リウマチって何?

関節リウマチとは

関節リウマチは免疫異常反応によって起こる自己免疫疾患と考えられています。

完全な原因は解っていませんが、遺伝・環境要因などが複雑に絡み合って発症すると考えられています。
主に関節滑膜を侵す全身性慢性炎症疾患です。次第に軟骨・骨に波及し、関節破壊や変形をもたらします。

関節リウマチのレントゲン写真
関節リウマチのレントゲン写真

関節リウマチの症状

関節リウマチには下記の様な症状が現われます。思い当たる症状はありませんか?

関節症状 朝のこわばり
関節の腫れ・痛み(特に手指・手関節・膝関節・足趾)
関節の変形 など
全身症状 微熱、倦怠感、体重減少、貧血症状 など
関節リウマチの疫学

人口の0.5~1%(約70万人)と推測されています。
約60%が30~50歳に発症します。最近では、高齢発症も稀ではありません。
男女比は、1:3-4と女性に好発します。
血縁者に関節リウマチの方がいる場合、発症率が上がります。
無治療だと10年後に約半数にかなりの日常生活障害が発生すると言われています。

関節リウマチの診断と治療について

関節リウマチの治療を行う場合、まずは薬物療法が基本となります。最近のリウマチ治療は、発症後2年以内に関節が最も破壊される事から、初期の段階で強力な薬を使用する傾向にあります。このような観点から、現在メトトレキサートという抗リウマチ薬がファーストチョイスとなりつつありますが、それでもコントロール不能な重度リウマチの患者さんもいらっしゃいます。その様なケースについては、2003年から認可された生物学的製剤という薬剤で、これまで症状のコントロールが難しかった患者さまへの治療が可能となりました。
また、関節破壊が運悪く進行してしまった場合でも、当院ではリウマチ外科治療の専門医が治療に携わっていますので、膝、股関節のみならず、肩関節や肘関節、手関節と手指、足関節と足趾と関節リウマチにより障害をうける全身の関節の手術治療も行っております。

関節リウマチの診断

症状 (主に関節腫脹)、採血 (炎症反応物質、血清学的因子)、レントゲンやMRI,エコー検査などの画像検査から総合的に診断します。
膠原病や変形性関節症などによる関節疾患と見極める必要があります。
近年の研究や治療の発展により、2010年にアメリカリウマチ学会とヨーロッパリウマチ学会が共同の分類基準を作成し、早期診断、早期治療の実践が重要視されています。

関節リウマチの治療はなぜ必要なのか

放っておくと、関節変形を起こし日常生活障害が出てきます。しかも生命予後にまで影響するのです。
肺、心臓、腎臓、消化管にまで炎症が及びます。

関節リウマチの最近の動向

関節リウマチは、症状や変形が目立たない初期に関節破壊が最も進むことが解ってきました。
つまり、いかに早期に診断し、治療を開始するかで将来が決まってしまうといっても過言ではありません。キードラッグとされるメトトレキセートは以前よりも多くの量が投与可能となり、また日本では2003年から認可された生物学的製剤の登場も、今までの薬物では考えられなかった関節破壊の進行を大きく抑えることが明らかになっています。
現在では、寛解(症状がなく、リウマチが完全に抑えられている状態)はもちろんのもとこと、疾患自体の治癒まで視野に入れるまでになっています。

関節リウマチの薬物治療

関節リウマチ治療の基本は薬物療法です。かつては抗炎症剤(ステロイド剤、非ステロイド剤)と金製剤が治療の中心でしたが、1990年代に入ってからこれまでの20年間で多くの新しい抗リウマチ薬やさまざまな治療法が開発されました。特に1999年にメトトレキサートが関節リウマチに使えるようになり、2003年からは生物学的製剤が日本で投与可能となったことから、関節リウマチの薬物治療は急速に発展しています。
現在ではレミケード、エンブレル、アクテムラ、ヒュミラ、オレンシア、シンポニー、シムジアの7種類の生物学的製剤が使用可能です。
以下では代表的な抗リウマチ薬、生物学的製剤について簡単に説明します。

抗リウマチ薬

関節破壊の抑制のために使います。効果発現までに2~3ヵ月かかります。効果と副作用などを見ながら、病状にあった薬を選択する必要があります。

メトトレキサート 商品名 リウマトレックス®など

MTXは高い有効率、継続率と優れた骨破壊進行抑制効果を持ち、その長期に渡る高い有効性と安全性や、他の抗リウマチ薬や生物学的製剤併用時の基本薬としての有用性から、関節リウマチ治療の基本薬と位置づけられています。日本でも2011年から海外で有効と報告されていた投与量まで使用可能となり、その重要性はさらに高まっています。ただし、投与により肝酵素上昇や血球減少症などの副作用が出現することもありますので、定期的な検査が不可欠です。また副作用軽減のために葉酸が併せて処方されることもあります。

ブシラミン 商品名 リマチル®など

日本で開発された薬剤であり、効果は金製剤に匹敵し、効果発現はそれより早いとされています。メトトレキサートとの併用が効果的と報告されています。腎障害、特に蛋白尿の副作用があり、定期的な検査が必要です。

サラゾスルファピリジン 商品名 アザルフィジン®など

メトトレキサート以前の第1選択薬として世界的に使用されている薬剤です。世界的な大規模調査ではメトトレキサートと同等の有効性を示し高く評価されています。早期の比較的軽症の関節リウマチがよい適応とされています。

タクロリムス 商品名 プログラフ®など

日本で臓器移植時の免疫抑制剤として開発された薬剤である。安全性は高いが、腎機能障害に注意する必要があります。

生物学的製剤

生物学的製剤は最先端のバイオテクノロジー技術によって生み出された医薬品で、関節リウマチに対しては2003年から国内での使用が開始されています。
これまでの抗リウマチ薬に比べて薬剤費が高価ですが、有効性に大きな期待ができる薬剤で、抗リウマチ薬が効かない場合でも、約90%の改善を見込めるとされています。また特に関節破壊抑制効果に優れていることが知られています。
メトトレキサートを中心とする治療で充分に病勢のコントロールが出来ない場合、出来るだけ早期に生物学的製剤を導入して関節破壊を防ぐという治療指針が国際的にも広く受け入れられています。また近年では関節リウマチ発症早期から使用することにより、強力に関節破壊の進行を抑制することが明らかになっています。
当院では生物学的製剤治療を200名を超える患者様が使用しており、その有効性や安全性のバランスを考えながら使用しています。
現在国内で使用できる生物学的製剤は7種類あり、一概に優劣はつけられません。それぞれの薬剤に特徴がありますので、疑問があれば主治医にお尋ねください。

ステロイド

アメリカ人の医師であるPhilip Showalter Henchらが、副腎皮質ホルモン (ステロイド)が関節リウマチの症状を改善させるとして1950年にノーベル賞を受傷しています。
その後ステロイドの大量投与による副作用が明らかになり、少量ステロイドは抗リウマチ薬や非ステロイド性抗炎症薬の治療効果を補う目的で使用されてきました。現在ではメトトレキサートや生物学的製剤による強力な治療が可能となり、ステロイドの関節リウマチにおける役割は限定されるようになってきています。
しかし、関節外臓器病変や関節リウマチの急性増悪、難治性病態への使用や、早期の効果発現による抗リウマチ薬が効くまでの橋渡しの役目もあり、いまだ関節リウマチの治療に用いられています。
副作用としては骨粗鬆症、高脂血症、糖尿病などがあり注意しながら使用します。

消炎鎮痛薬

主に痛み止めとして非ステロイド性抗炎症薬が使用されます。
近年では疼痛治療の発達に伴い、疼痛が強い場合にはより鎮痛効果の高いオピオイド系の薬剤も使用されるようになってきています。

関節リウマチの手術治療

手術治療の目的は、機能の改善、進行予防、他の関節への影響を予防することにあります。

手術が必要なタイミングは、症状やレントゲンは当然ですが、他関節の状態、全身状態、生活背景などから総合に判断する必要があります。

滑膜切除術

腫れた関節に対して、病的原因である滑膜を切除します。進行予防が主な目的になります。

滑膜切除術写真

関節形成術

関節変形が出てきてしまった関節(特に手指、手関節、肘関節、足趾関節)に対して行います。

症状軽減、進行予防、機能改善が主な目的になります。

人工関節置換術

関節破壊が進行し、関節機能が障害されてしまった関節(特に膝関節、股関節、肘関節、手指)に対して行います。
現在、最もよく行われている手術で、症状改善、機能改善、他の関節への影響防止が主な目的となります。
当院では股関節、膝関節には状態に応じて、最小侵襲手術で行っています。

人工関節置換術写真

人工関節置換術写真

関節リウマチの治療は全身の病気の状態、関節はもちろん骨の脆弱性、手術における手術手技の特異性より多くの注意点が存在します。
当院では東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターで培った多くの経験、連携により最善の治療を提供できるようにしています。

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