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整形外科・リウマチ科

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高齢者の骨折について

高齢者の骨折について

若い人は事故等の強い外力によって骨折しますが、高齢者は骨粗鬆症により骨が弱くなっているため、腰の高さからの転倒等のわずかな外力で骨折をします。このような骨折を脆弱性骨折といい、脊椎圧迫骨折、大腿骨頚部骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨頚部骨折の4つからなります。

脊椎圧迫骨折

背骨は頸椎、胸椎、腰椎、仙椎の4つの部分からなります。圧迫骨折とは背骨の骨が潰れてしまった状態をいいます。
主に尻もちや転倒により主に胸椎と腰椎の移行部(胸腰椎移行部)のあたりの椎体に生じます。骨粗鬆症の場合、外傷がなくても自然に潰れてしまう場合もあります。複数の背骨が圧迫骨折すると背中が丸くなり、身長が低くなります。
レントゲンでは、四角い椎体の前方がつぶされてくさび形(→)に変形します。しかし、受傷早期はレントゲンでは見つけられない事があるため必要に応じてMRI検査を追加します。MRIでは骨折部は図のように白く光ってみえます。

治療としては、体に合ったコルセットができるまでは立ったり、座ったりは最小限にし、安静にします。その後コルセットで固定し、歩行リハビリを開始します。潰れ方や神経症状によっては、手術を要する場合もあります。
圧迫骨折は、一度、生じると連鎖的にいくつも潰れる可能性があります。また、生命に関わる事態に繋がることが報告されています。
その後の圧迫骨折を予防するためにしっかりと骨粗鬆症治療をする必要があります。

大腿骨頚部骨折

大腿骨頸部とは足の付け根(股関節)の部分をいいます。骨粗鬆書の進んだ高齢者は転倒などの軽微な外力で骨折します。
足の付け根であるため、ギブスなどで固定する骨はきわめて困難であり、保存的加療では長期のベッド上安静が必要となり、歩行困難になります。また、長期臥床は誤嚥性肺炎、尿路感染症、褥瘡などの合併症を引き起こし、生命に関わります。
これらを防止するには早期離床、早期リハビリが必要になります。そのため受傷後は1日でも早く手術を行い、骨折の部分を固定する必要があります。

股関節の骨折している場所により手術方法が異なります。左下の写真のように大腿骨頚部の頭に近いところで折れている骨折を大腿骨頚部内側骨折といい、骨頭を人工のものと入れ替える人工骨頭挿入術が必要となります。
また右下のように頭から少し離れた付近で折れている場合は大腿骨頚部外側骨折といいプレート(金属の板)やネイル(金属の棒)で固定します。いずれの場合も手術翌日よりリハビリを開始します。

大腿骨頚部内側骨折

大腿骨頚部外側骨折

橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折は手首の骨折です。転倒した際に手をついたり、手首をぶつけることで受傷します。
閉経後の骨粗鬆症をともなった高齢者に多い骨折ですが、若い人でも交通事故などの強い力が加わると折れてしまいます。

治療としてはギプス固定(保存療法)と手術療法があります。
骨折部がずれていないときもしくは、ずれていても引っ張って元の形に戻せる時はギブス固定をします。しかし、骨折が引っ張っても元の形に戻せないとき、元の形に戻せるが力を緩めるとすぐにずれてしまうときは手術が必要になります。
手術はプレート(金属の板)とスクリューで固定します。骨折部が粉砕の場合、または極度に骨が脆い場合は、他の固定法も併用します。

上腕骨近位部骨折

上腕骨という二の腕の骨の方に近いところでの骨折です。
転倒、肩の打撲や捻りで生じます。また、まれに肩の脱臼を合併する事もあります。
治療は骨折のずれの程度でかわってきます。大きくずれている状態では三角巾で手を吊るして体と固定(デゾー固定)をします。
ずれが大きい場合は手術が必要になります。骨折部をあわせプレートや、髄内釘で固定します。粉砕骨折の場合は、人工肩関節置換術を行う必要があります。

高齢者の骨折は、ただの骨折ではなく、その後の機能や日常生活に大きく影響します。また、生命にも危険を及ぼすことが知られています。
当院でも年間300件を超える手術が必要な方がいらっしゃいます。早期に受診し、状態に応じて治療を行い、できるだけ機能を戻していくことが大切です。また、骨粗鬆症の予防・治療も大切ですので、定期的に検査も受けましょう。

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